目次
ビタミンCの健康効果についてまとめました。
1.ビタミンCとその働きについて
別名はアスコルビン酸とも言われます。食品に含まれている水溶性のビタミンです。ビタミンCには、酸化防止作用があります。体内でフリーラジカル(活性酸素)によるダメージから細胞を守ります。
活性酸素とは、摂取した食べ物が体の中でエネルギーになるときに作り出される化合物です。大気中にもタバコの煙や大気汚染、太陽からの紫外線によって発生した活性酸素が存在し、その影響を我々は受けます。活性酸素が多ければ老けて見られます。体の中のタンパク質やDNAなどにダメージを与え、細胞を壊してしまうため、過剰に活性すると老けがすすんでしまうのです。
身体は傷の治癒やお肌の生成に必要なタンパク質であるコラーゲンを生成するためにもビタミンCを必要とします。ビタミンCを取るとお肌が綺麗になると言われます。
さらに、ビタミンCは、植物性食品からの鉄の吸収を促し、ビタミンEを活性化させ病気から身体を守るために免疫系を活発にさせます。
2.ビタミンCの必要摂取量について
ビタミンCの必要摂取量は、年齢によって異なります。下表に1日の平均摂取推奨量を、ミリグラム(mg)で示します。
ビタミンCの1日の平均摂取推奨量 | |
ライフステージ | 摂取推奨量 |
生後6カ月 | 40 mg |
幼児7-12カ月 | 50 mg |
小児1-3歳 | 15 mg |
小児4-8歳 | 25 mg |
小児 9-13歳 | 45 mg |
10歳代14-18歳:(男子) | 75 mg |
10歳代14-18歳:(女子) | 65 mg |
成人(男性) | 90 mg |
成人(女性) | 75 mg |
10代の妊婦 | 80 mg |
妊婦 | 85 mg |
10代の授乳婦 | 115 mg |
授乳婦 | 120 mg |
あなたが喫煙者の場合、1日の総推奨量を算出するには上記の値に35 mgを加えて下さい。
3.ビタミンCを摂取できる食品
柑橘類(みかん、オレンジやグレープフルーツなど)およびそのジュース、赤ピーマン、緑ピーマン、キウイフルーツ。
→多くのビタミンCを含有
ビタミンCを含むその他の果物や野菜。
→ブロッコリー、イチゴ、カンタロープ・メロン、ベイクドポテト(焼いたじゃがいも)、トマトなど。
ビタミンCが強化された果物および野菜。
→ビタミンCが食品に添加されているか確認するには、その製品の表示を確認してください。
食品に入っているビタミンCは長期保存や調理によって減ります。蒸し加熱や電子レンジの使用によって、調理することで損失を減らせます。果物や野菜などは生で食べられるものが多いです。
4.市販されているビタミンCサプリメントの種類
ほとんどのマルチビタミンにはビタミンCが含まれています。また、ビタミンCは単独または他の栄養素と組み合わせたサプリメントとして入手することもできます。
5.ビタミンCと喫煙について
喫煙者や副流煙にさらされる人。原因の一つに、タバコによって、活性酸素による損傷を修復するのに身体が必要とするビタミンCの量が増加することが挙げられます。喫煙者は非喫煙者と比べ、ビタミンCを1日につき35 mg多く必要とします。
6.ビタミンc欠乏症について
何週間にもわたってビタミンCをほとんどまたは全く摂らない(1日につき約10 mg未満)人は、壊血病を発症する可能性があります。壊血病によって、疲労感、歯肉の炎症、皮膚にできる赤色または紫色の小さな斑点、関節痛、傷の治癒の遅延、らせん状毛髪が生じます。壊血病のその他の兆候として、うつ病、歯肉の腫れと出血、歯のぐらつきまたは脱落があげられます。壊血病患者では貧血が発症することもあります。治療せずに放置した場合、壊血病は致死的なものとなります。
7.ビタミンCが健康に及ぼす影響について
がんの予防と治療
果物や野菜からビタミンCを多く摂取する人は、肺癌、乳癌、結腸直腸癌など、多くの種類のがんを発症するリスクが低いと考えられます。しかし、ビタミンCサプリメントは、その他の抗酸化物質を含んでいるかどうかにかかわらず、がんの発症を防ぐことはないようです。
高用量のビタミンCを摂取することが、がんの治療に役立つかどうかは明らかではありません。ビタミンCの効果は、患者にどのような方法で投与したかによって異なると考えられます。ビタミンCを経口投与しても、その血液中の濃度は注射によって静脈内投与した場合ほど上昇することはありません。動物や試験管内で行ったいくつかの試験では、血液中のビタミンC濃度が非常に高い場合に腫瘍が縮小する可能性が示されています。しかし、高用量ビタミンCの静脈内投与が、がん患者の治療に役立つかどうかを判断するには、さらなる研究が必要です。
ビタミンCサプリメントやその他の抗酸化物質は、がんの化学療法や放射線療法と相互作用する可能性があります。がん治療を受けている人は、ビタミンCやその他の抗酸化物質を摂取する前に(高用量の場合は特に)、かかりつけの腫瘍医に相談するべきです。
心血管障害
果物や野菜を多く食べる人は、心血管疾患のリスクが低いようです。研究者たちは、酸化的損傷が心血管疾患の主な原因であることから、これらの食品に含まれる抗酸化物質の量がリスク低下の一因になっている可能性があると考えています。しかし、食品からであれサプリメントからであれビタミンCそのものが心血管疾患の予防に役立つサプリメントのかどうかについては、明らかになっていません。また、ビタミンCがすでに心血管疾患を持つ人の病状の悪化を防ぐのに役立つかどうかも明らかではありません。
加齢黄斑変性(AMD)と白内障
AMDと白内障は高齢者の視力喪失の主な原因のうちの2つです。研究者らは、ビタミンCやその他の抗酸化物質がAMDの発症リスクに影響を及ぼすとは考えていません。しかし、ビタミンCを他の栄養素と併用すると、早期AMDが進行性AMDへと悪化するのを防ぐことができるかもしれないと研究で示唆されています。
大規模研究では、AMDの高齢患者がビタミンC 500 mg、亜鉛80 mg、ビタミンE 400 IU、βカロチン 15 mgおよび銅 2 mgのサプリメントを毎日約6年間服用したところ、進行性AMDの発症率が低下しました。また、これらの高齢患者では、サプリメントを摂取しなかった高齢患者と比べ、視力喪失の割合も低下しました。
医師がビタミンCを含むサプリメントをAMD患者に勧めることができるようになるには、さらなる研究が必要です。ただし、現在、本疾患を発症している患者、または発症しつつある患者は、サプリメントの摂取についてかかりつけ医に相談してもよいでしょう。
ビタミンCと白内障形成との関係は明らかではありません。いくつかの研究で、食品から多くのビタミンCを摂る人では、白内障の発症リスクが低下することが示されています。しかし、この関連性を明確にし、ビタミンCサプリメントが白内障の発症リスクに影響を及ぼすかどうかを判断するには、さらなる研究が必要です。
感冒
ビタミンCは長い間風邪の一般的な治療薬とされてきましたが、ビタミンCサプリメントは、ほとんどの人の風邪の発症リスクを低下させないことが研究で示されています。しかし、日常的にビタミンCサプリメントを摂取している人は、風邪にかかった場合に、その期間がやや短いか、若干症状が軽くなる可能性があります。風邪の症状が出た後にビタミンCサプリメントを使用しても、効果はないようです。
8.ビタミンC過剰摂取が害を及ぼす可能性について
ビタミンCを摂りすぎると、下痢、吐き気、胃けいれんが生じる場合があります。体内に鉄が過剰に蓄えられるヘモクロマトーシスと呼ばれる疾患の患者では、高用量のビタミンC摂取によって鉄過剰症が悪化し、体組織が損傷する可能性があります。
ビタミンCの安全な上限値は下表の通りです。
ビタミンCの安全な上限値 | |
ライフステージ | 安全な上限値 |
生後12 カ月 | 設定数値なし |
小児1-3歳 | 400 mg |
小児4-8歳 | 650 mg |
小児9-13歳 | 1,200 mg |
10歳代14-18歳 | 1,800 mg |
成人 | 2,000 mg |
参考文献・出典:厚生労働省ホームページ
9.まとめ
結論から言うとサプリメントより食品から取るほうが、効果が高いようですが、サプリメントで摂取する人でも十分に効果はあると思われます。脂溶性のビタミンと違い、水溶性ビタミンのため、多少取り過ぎても水に溶け尿から排泄されるため安心ではないかと思います。評判の良いビタミンCサプリメントを挙げておきますので参考にしてみてください。
最後までありがとうございました。