新型コロナウイルス感染症対策について

 

新型コロナウイルスについてまとめました

ひろし先生

目次

1.『新型コロナウイルス感染症とは』

①【病原体】
これまでにヒトに感染するコロナウイルスは4種類知られており,感冒の原因の10~15%
を占める病原体として知られていた.また,イヌやネコ,ブタなど動物に感染するコロ ナ
ウイルスも存在する.2002年中国・広東省に端を発した重症急性呼吸器症候群(SARS)
は, コウモリのコロナウイルスがハクビシンを介してヒトに感染し,ヒト-ヒト感染を起
こすこ とで8,000人を超える感染者を出した.また,2012年にはアラビア半島で中東呼吸
器症候 群(MERS)が報告され,ヒトコブラクダからヒトに感染することが判明した.そ
して2019 年12月から中国・湖北省武漢市で発生した原因不明の肺炎は,新型コロナウイ
ルス(SARSCoV-2)が原因であることが判明した(図1-1).  SARS-CoV-2は,SARS
やMERSの病原体と同じβコロナウイルスに分類される動物由 来コロナウイルスと判明し
たが,宿主動物はまだ分かっていない.現在はヒト-ヒト感染によっ て流行が世界的に広
がっている状況である.SARS-CoV-2による感染症をCOVID-19(感染 症法では新型コロ
ナウイルス感染症)と呼ぶ.

②【感染経路】
飛沫感染が主体と考えられ,換気の悪い環境では,咳やくしゃみなどがなくても 感染する
と考えられる.また,ウイルスを含む飛沫などによって汚染された表面からの接触感 染も
あると考えられる.有症者が感染伝播の主体であるが,発症前の潜伏期にある感染者を含
む無症状病原体保有者からの感染リスクもある.

③【エアロゾル感染】 エアロゾル感染は厳密な定義がない状況にあるが,SARS-CoV-2は
密閉された空間において短距離でのエアロゾル感染を示唆する報告がある.エアロゾル感
染の流行へ の影響は明らかではない.患者病室などの空間から培養可能なウイルスが検出
された報告がある一方,空気予防策なしに診療を行った医療従事者への二次感染がなかっ
たとする報告もある.また,再生産数が2.5程度と,麻疹など他のエアロゾル感染する疾患
と比較して低いことなどから,現在の流行における主な感染経路であるとは評価されてい
ない.医療機関では,少なくともエアロゾルを発生する処置が行われる場合には,空気予
防策が推奨される.

④【潜伏期・感染可能期間】 潜伏期は1~14日間であり,曝露から5日程度で発症するこ
と が多い(WHO).発症前から感染性があり, 発症から間もない時期の感染性が高いこと
が市中 感染の原因となっており, SARSやMERSと異なる特徴である. SARS-CoV-2 は上
気道と下気道で増殖していると考えられ,重症例ではウイルス量が多く,排泄期間も長い
傾向にある.発症から3~4週間,病原体遺伝子が検出されることはまれでない.ただし,
病原体遺伝子が検出されることと感染性があることは同義ではない. 感染可能期 間は発症2
日前から発症後7~10日間程度(積極的疫学調査では隔離されるまで)と考えられている.
なお,血液,尿,便から感染性のあるSARS-CoV-2を検出することはまれである.

2.標準防護策(スタンダードプリコーション)

①スタンダードプリコーションの基本概念
スタンダードプリコーションと感染経路別予防策から成り立つ。スタンダードプリコーシ
ョンはすべての患者に対 して適用される。感染経路別予防策は、感染力が強くスタンダー
ドプリコーションで不十分な感染症に対して追加される予防策である。

スタンダードプリコーションは、感染症の有無に関わらず、すべての人の

1.血液 2.汗を除く全ての体液、分泌物、排泄物 3.傷のある皮膚 4.粘膜

を感染性のあるものとして扱う。①スタンダードプリコーションの基本実践
すべての医療行為の基本となり、感染防止に対して一番大きな役割を果たすのが手洗いで
ある。 適切に行うことで、院内感染を減少させることができる。

【手指衛生】
ⅰ.流水と石けん
湿性粘液物に触れた、または触れるおそれのある処置の手袋を外した後 ・ オムツ交換 ・
採血 ・ 外科処置

ⅱ.アルコール擦式手指消毒剤
患者の健常な皮膚や、物品に触れた後 ・ 体位変換後 ・ 血圧測定後 ・ パソコン操作後 ・
配膳後

おすすめの手指消毒剤を挙げておきます。


3.『感染予防対策』

1 ① マスクの着用について
現在は原則、着用が望ましい。
・ 原則インフルエンザやノロウイルス等感染症流行期間(11月1日~3月31日)
にはマスクを着用が望ましい。
② 加湿器の使用について(インフルエンザウイルスは,低温・低湿を好み乾燥している
とウイルスが長期間空気中を漂い,増殖している。)
・ 原則インフルエンザやノロウイルス等感染症流行期間(11月1日~3月31日)
は,加湿器を使用する。それ以外の期間で季節や気温等を考慮し,湿度が45%を下
回った場合は加湿器を設置する。
※ 加湿器使用時期については,施設内に設置してある湿度計を参考に,50%~60%を
保てるよう使用する。室温は,24℃~27℃で保つようにする。
③ 手洗い,うがいについて
・ 年間を通して手洗い,うがいを徹底する。

④ 掃除について
・ 年間を通して,手すりやドアの取手等手の触れる箇所については,アルコールで拭く。

⑤ 換気について
・ 天候や気温等を考慮し,定期的に換気を行い,空気の入れ替えを行う。
・ コロナ対策期間は常に(少しでも)開けて換気する。冷暖房の期間は1時間に1回
5分から10分程度換気する。風が通る通気が望ましい。

 

4.まとめ

簡単ではありますが新型コロナウイルス感染症対策についてまとめてみました。
第5類となってから医療関係ではますます脅威となっています。
自分の身を守るためにももう一度、感染対策を学び直してみてはいかがでしょうか。
最後までありがとうございました。

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