目次
骨粗鬆症予防のポイントについてまとめました。
1.骨粗鬆症について
年齢と共に骨粗鬆症になりやすくなります。特に女性は閉経後エストロゲンの減少により骨粗鬆症になりやすいと言われています。骨粗鬆症になると転倒した際などに骨折等を起こしやすくなり寝たきりになるリスクを高めます。寝たきりにならないまでも杖歩行になる場合も多く、著しく生活の質(QOL)を低下させる原因になります。骨粗鬆症の予防は非常に大切になります。
2.骨粗鬆症の予防
骨粗鬆症とは、骨強度(骨の強さ)が低下して、骨がもろくなり骨折しやすい状態になることです。骨強度は、骨量の指標となる「骨密度」と骨の構造など「骨質」の2つの要因によって決定します。
以下、骨粗鬆症の予防におけるカルシウム摂取の重要性と食生活のポイントを中心にまとめたいと思います。
3.骨粗鬆症予防のための食生活
骨量は成長期に増加し、二十歳歳頃に最大骨量に達します。人体は二十歳頃にピークを迎えるものが多いです。その後は比較的、安定して推移した後、加齢に共に減少していきます。
骨粗鬆症の危険因子については以下の表を参考文献にしたいと思います。加齢等の防げないものやと食事や運動などの生活習慣によって防げるものがあります【表1】
除去できない危険因子は除去するのは難しいですが、除去できる危険因子を除去していくことで骨粗鬆症の予防ができるということです。加齢などはどうしようもないですがカルシウムを摂取したりリンの摂取を避けたりは努力でどうにかなりますね。
除去できない危険因子 | 除去できる危険因子 |
加齢 性(女性) 人種 家族歴 遅い初潮 早期閉経 過去の骨折 |
カルシウム不足 ビタミンD不足 ビタミンK不足 リンの過剰摂取 食塩の過剰摂取 極端な食事制限(ダイエット) 運動不足 日照不足 喫煙 過度の飲酒 多量のコーヒー |
表1. 骨粗鬆症の危険因子 |
引用厚生労働省ēネット
2.骨とカルシウムの関係
骨は多くのカルシウムできています。カルシウムとビタミンDが結合して骨になります。新しい骨と古い骨が入れ変わり、骨の強さが保たれます。
血液の中にもカルシウムは存在します。血液中のカルシウムの濃度は一定に保たれ、多くの生理作用に関り生命の維持に関与します。
カルシウムが不足すると、骨から取り出されるカルシウムの量が多くなります。骨量が減少し、骨粗鬆症になりやすくなるということです。骨を丈夫に保つにはカルシウムの摂取が大切です。
カルシウムの望ましい摂取量
年齢区分 | 男性 | 女性 | ||
推奨量 | 耐容上限量* | 推奨量 | 耐容上限量 | |
1~2歳 | 450 | ― | 400 | ― |
3~5歳 | 600 | ― | 550 | ― |
6~7歳 | 600 | ― | 550 | ― |
8~9歳 | 650 | ― | 750 | ― |
10~11歳 | 700 | ― | 750 | ― |
12~14歳 | 1,000 | ― | 800 | ― |
15~17歳 | 800 | ― | 650 | ― |
18~29歳 | 800 | 2,500 | 650 | 2,500 |
30~49歳 | 750 | 2,500 | 650 | 2,500 |
50~64歳 | 750 | 2,500 | 650 | 2,500 |
65~74歳 | 750 | 2,500 | 650 | 2,500 |
75歳以上 | 700 | 2,500 | 600 | 2,500 |
表2. カルシウムの食事摂取基準(mg/日) ―1歳以上、推奨量及び耐容上限量―[3] |
*17歳以下については耐容上限量が設定されていません。この年齢区分において耐容上限量を設定するための科学的根拠が十分でないためです。耐容上限量が設定されていないことは、多量摂取を勧めるものでも多量摂取の安全性を保証するものでもありません。
3.骨粗鬆症の予防のための食生活のポイント
骨の健康のためにはカルシウムやビタミンDの摂取が重要です。ビタミンDはカルシウムの吸収を促進しますし、ビタミンKは骨へのカルシウムの取り込みを助けます。色んな栄養素が必要です。1日3回の規則正しく、バランスのとれた食事をとりましょう。
4.バランスのとれた食事とは
主食(ごはん・パン・麺)、
副菜(野菜・きのこ・いも・海藻料理)、
主菜(肉・魚・卵・大豆料理)
のそろった食事のことです。
また、毎日の食事での食品はできるだけ偏らないようにすると、それぞれの食品に含まれる様々な栄養素を摂取することができます。
特カルシウムの摂取量を増やす工夫
→小松菜などの緑黄色野菜、ひじきなどの海藻、豆腐などの大豆製品を取り入れることが大切。
以下厚生労働所eネットより抜粋
<代表的な食品の1回に摂取する量の目安とカルシウム量*1>
*1 カルシウム量は日本食品標準成分表2020年版(八訂)の成分値を用い、小数第一位で四捨五入して算出しています。
*2 調理前の重量を同資料の重量変化率を用い、小数第一位で四捨五入して算出すると、小松菜68g、春菊76g、チンゲンサイ85g、水菜72g、ひじき6gとなります。
牛乳・乳製品はカルシウム含有量が多く、カルシウムの吸収率もすぐれた食品です。
「食事バランスガイド」では、1日に摂取する目安となる量が示されています【図1、表3】
数え方は牛乳・乳製品に含まれるカルシウムの量が基準となっており、1つ分にカルシウムが約100㎎、2つ分にカルシウム約200mgが含まれています。
図1. 料理区分「牛乳・乳製品」の数え方[4]
表3. 対象者特性別、料理区分「牛乳・乳製品」の摂取の目安[5]
*身体活動レベルが「低い」(生活の大部分が座位の場合)で2つ、「ふつう以上」(座位中心だが、仕事・家事・通勤・余暇での歩行や立位作業を含む場合、または歩行や立位作業が多い場合や活発な運動習慣を持っている場合)で2~3つ。
5.まとめ
骨粗鬆症にならないためにはバランスの良い食事が必要です。しかし、なかなかカルシウムを摂取できないはサプリメントもお勧めです。
しかし、カルシウムやビタミンDは過剰摂取すると臓器等に蓄積し健康被害が起こる可能性があります。
必ず服用する量は必ず決められた量を守ってください。
皆で健康になりましょう。最後までありがとうございました。